トレーディング・エコノミック

トレーディングカードゲームが市場の理解をするのにはとても役に立つんですよね。
 経済学なんかやってると特にそう思います。

トレーディングカードゲーム(TCG)には楽しみ方が主に二つ。

・デザインカードとしての収集
・カードゲームとしてバトル

大きく分けるとこうなります。

それで、どちらに関しても欲しいものを手に入れる手段として、「交換」が有効なわけですが、この手順こそが最も厄介なプロセスなわけです。

交換は常に平等でなければなりません。
レアリティの高いカードでも自分に必要なければ価値はゼロですが、逆もまた然り。レアリティの低いカードでも、喉から手が出てしまってる人からすれば、その価値は高くなるわけです。

その価値基準にもいろいろあります。
・カードゲームとしての強さ
・デザインの良さ
・生産量

だいたいこの三つでしょうか。
この三つは、カードゲーム会社が決めることで、我々が操作できるものではありません。さながら「政府」と言ったところでしょう。

カードゲーム市場と言うのは、非常にシビアです。

「カードA」が200円で売られているとしましょう。弱いカードで、沢山市場に売りに出されてます。デザインのおかげでなんとか200円を保っています。

ですが、サポートとして、新しい「カードB」の登場によって「カードA」は大幅に強化されました。

すると、「カードA」は1500円になります。

ですが、喜びも束の間、その「カードA」のメタファーとして「カードC」が登場。無力化してしまうカードによって、「カードA」の値段は100円になってしまいました。

そしてさらに「カードC」のあまりの強さに価格が3000円になってしまいます。そして、カード人気に応えて「カードC」は量産が決定します。

すると「カードC」から価値は失われます。

何故でしょうか?

答えは簡単です。みんなが使うと自分のプレイスキルが求められます。つまり、「カードの強さ」が関係なくなってしまうからです。

合唱コンクールの伴奏役が課題曲を弾きたがらない心理と同じです。

カードゲームをやる人の目標としては、
「自分だけの強いデッキ」を作ることです。みんなが似たり寄ったりのデッキを持っていると、そのデッキから価値は失われてしまいます。

非常に経済学っぽいですよね。

下手をすると市場よりも激しい変遷があります。

カードゲームのカードの価値と、貨幣の価値とは、性質が酷似しています。

・価値が上がると出回らない
・出回り過ぎると暴落する
・取引によって価値を生み出す
・環境によって価値が上下する

新ルールの追加などで価格が暴落、急騰する点なんかはまさに市場ですね。


経済学が苦手な人は、トレーディングカードゲームを始めるといいかもしれません。わかりやすく理解ができると思います。